オリンピック閉会式で私が出演したチーム
TOKYOITSはパフォーマーチームとダンサーチームに分かれていた。
しかし、そのどちらのチームにも加わり練習していたのが
女性アクロバットチームの「トライアングル」さん。
メインステージでアクロバットを行い
他のパートではダンサーとしてフル回転、
体力的にも役割的にも一番大変だったのでは。
そのメンバーの一人が増井紬さん。
TOKYOITSは公園に遊びに来た人たちが
突然スゴ技を繰り広げるという設定だった。
リハーサル当初に私は夫婦で公園に来た旦那が
突然けん玉を披露して妻を喜ばせる的な役を演じて欲しいと頼まれた。
演じるなんてやったことがなかったし、
何よりも設定とは言えど私のようなおじさんと夫婦役で
オリンピックの閉会式に登場しなければならない
女性の方がとても不憫に思えた。
そして、不運にもその役になってしまったのが紬さん。
しかし、こんな設定にも関わらず明るく自然に演じる紬さん、
そして明らかに超固い私。
そんな不自然な光景を見てかこの設定はあっという間に解消され内心ホッとした。
紬さんも「離婚しちゃいましたね~」と笑っていた。
その後は同じゲートから登場し、
ダンスの位置も隣であったこともありよく話した。
紬さんは新体操出身だが
アクロバット、ダンスだけでなくコントーション、
そしてエアリアルティシューをされているとのこと。
自身の努力を一切語りはしなかったが
その柔軟性とそれに相反する筋肉を見れば、
どれだけの努力をしてきたかは一目瞭然。
ちなみに新体操選手としては目立った
成績は残していないとのことだったので
競技者としてよりもエンターティナーとしての才があるのでは。
ギネスなどの過去の栄光だけで生きてきた私が
同じパフォーマーとして同じ場所に立つのが恥ずかしく思えた。
人としてパフォーマーとして、周りのみんなをいつも笑顔に、幸せにする
紬さんの人生に幸多かれ(そして、怪我がありませんように)。